9月のコラム【秋分の日】
実りの秋到来ですね。まだまだ暑い日が続きますが、風に揺れる稲穂にかすかに秋を感じられる季節となりました。

今月のテーマは9月23日「秋分の日」。 お彼岸の中日である秋分の日は「国民の祝日に関する法律」 によれば「祖先を敬い、亡くなった人々を偲ぶ日」とされています。仏教の世界では、西の彼方先祖のいる極楽浄土の世界を「彼岸」、私たちがいる現世を「此岸(しがん)」と表しますが、太陽が真東から昇り真西に沈む秋分の日は彼岸と此岸の距離が最も近くなる日と考えられ、ご先祖様と通じやすい日だといわれるようになったそうです。

この日はお墓参りをしたりおはぎをお供えしたりご先祖様を供養して過ごすのがよいとされていますが、状況によりそれが叶わない場合にも、ご先祖様や故人に思いを馳せ感謝をしながら過ごしてみるのはいかがでしょうか。私の場合はお彼岸やお盆などに限らずですが、時々祖母の形見の指輪を引き出しの奥から出してきて眺めては、かわいがってもらった当時のことを思い出しとてもあたたかい気持ちになったりします。お参りが叶わなくてもそういった思い出の品ひとつからでも故人と繋がることができ、同時に大きなパワーをもらえるような気がします。

皆様にも大切なご家族や故人の方から譲り受けたお品などはありますか。なかには着物を譲り受けたという方もいらっしゃるかもしれません。そんな方は機会がありましたらぜひ袖を通してみてください。それは着るご自身にとっても譲ってくれた方にとっても、きっと特別でかけがえのない時間となるのではないかと思います。

文章:一昌スタッフ・塚本

2件のコメント

  1. こんにちは♪お彼岸の過ごし方〜亡き人の思い出の品を眺めるのは、いいことですね(^^)私は、母とあまり気が合いませんでしたが、着物の基本は母から教わったと思います。結婚するまでは着せてもらっていたのですが、結婚が決まり、もう着せてあげられないから、覚えなさい!とピシッと言われて、自分で着れるようになりました。実家から持ってきたものの中に祖母の縫った長襦袢というのがあって、袖や裾など見えるところによい模様の生地を継ぎ接ぎした、普段着の物ですがあります。祖母は連れ合いを早く亡くしたので、針仕事で子供を育てました。着物には、そんな思い出もあり、長く着続けたいと思います。ふと振り返れるコラムをありがとうございました(^^)
    また一昌さんで出会える着物を楽しみにしています♡

  2. コラムをご覧くださり誠にありがとうございます!
    着物の基礎を教えてくださったお母様、着物を長く大切に着てこられたお祖母様、ともに着物に親しむこころを伝えてくださったなんて素敵ですね。
    お彼岸という時節にこうして大切な方々への想いを振り返る時間を持てるのは本当に尊いことですね。その中で当店のコラムをきっかけに心に触れる時間をお持ちいただけたこと、大変ありがたく存じます。
    大切な思い出を共有してくださり本当にありがとうございました。
    わたくしたちも、少しでも皆さまの素敵なお着物生活のお役に立てるよう、今後より励んでまいりたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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