爽やかな秋の風が心地よい11月。皆様にはお元気でお過ごしでしょうか。
十一月、暦の上では冬の始まりを告げる「立冬」を迎えます。
立冬は、一年を二十四の季節に分けた「二十四節気」のひとつで第19番目にあたります。
二十四節気は、古代中国で生まれ日本にも伝わった暦の知恵で2026.年度は 11月7日土曜日からが立冬入りです。

太陽の動きをもとに一年を二十四に分け季節の移ろいを細やかに捉えようとしたもので古くから農作業や日々の暮らしの目安として大切にされてきました。
「立冬」の「立」には、季節の始まりという意味があります。
昨今ではまだ紅葉の美しいこの時期に冬の訪れを告げるとは、何とも風情のあることですね。
昔の人々は目に見える景色だけでなく、風の冷たさや陽の傾き、草木のわずかな変化から、次の季節の気配を感じ取っていたのでしょう。
そして、その繊細な季節感は着物の文化にも息づいています。

秋草の文様から、椿や雪輪の意匠へ。季節を少し先取りして装うことも着物ならではの奥ゆかしい楽しみです。
季節を知り、季節を愛で、季節を纏う。
思えば、私たちの人生もまた四季の移ろいに似ているのかもしれません。
春の華やかさ、夏の輝き、秋の豊かさ、そして冬の静けさ。
どの季節にも、それぞれにしかない美しさがあるように、人生にも、その年齢だからこそ味わえる喜びや趣があります。

若い頃には気づかなかった小さな幸せに心を寄せ、時を重ねたからこそ似合う色や装いを小物や着物まわりのちょっとしたアイテムで変化をつけ楽しむ。
美しさとは、若さだけに宿るものではなく、重ねてきた歳月の中にこそ、静かに育まれていくものなのかもしれません。
立冬を迎え、またひとつ季節が巡ります。
これからも自分らしく、心豊かに、そして美しく。
移ろう季節を慈しみながら、今日という一日を大切に重ねていきたいものですね。
皆さま、どうぞ穏やかで、心温まる十一月をお過ごしください。
有限会社一昌 「selectきもの一昌 / 伊藤昌子」

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